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剣道の竹刀の選び方|サイズ・素材・型と安全基準

更新: 岸本 武彦(きしもと たけひこ)
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剣道の竹刀の選び方|サイズ・素材・型と安全基準

竹刀選びは、店頭で最初の1本を前にした瞬間から迷いが始まります。筆者も、初めて子ども用の竹刀を買いに行く保護者に同行した際、36・37・38という数字の意味と、「軽く感じるのに規格では重い」という逆説に戸惑う場面を何度も見てきました。

竹刀選びは、店頭で最初の1本を前にした瞬間から迷いが始まります。
筆者も、初めて子ども用の竹刀を買いに行く保護者に同行した際、36・37・38という数字の意味と、「軽く感じるのに規格では重い」という逆説に戸惑う場面を何度も見てきました。
この記事は、これから竹刀を買う初心者本人と保護者に向けて、サイズを先に決め、次に重さ・素材・型を絞る順番で整理したガイドです。
全日本剣道連盟の『剣道試合・審判規則の改正について』に沿って、長さは付属品込み、重さは鍔を含まないという基本から確認し、安全点検やSSPシールの見方まで一続きで押さえます。
初めての1本は、見た目や価格だけで決めるより、規格に合うサイズを軸に、稽古量と打感の好みに合わせて選ぶほうが失敗が少なく、初心者なら桂竹か、予算が許せば真竹から入るのが堅実です。

剣道の竹刀選びで最初に押さえたい基本

竹刀各部の正式名称と役割

竹刀は、4枚の竹片を組んだ本体に各付属品を取り付けて完成します。
最初に名称を押さえておくと、店頭の商品説明や大会規格の話が一気につながります。
竹の1枚1枚は竹片(ちくへん)で、4枚を束ねた全体の竹の部分は竹刀床(ちくとう)と呼ばれます。
先端を包む革が先革(さきがわ)で、握る部分の革が柄革(つかがわ)です。
竹刀の背側に張るひもが弦(つる)で、先寄りで竹を締めて形を安定させる革が中結い(なかゆい)です。
手元に通す円盤が鍔(つば)で、その鍔を固定する輪が鍔止め(つばどめ)です。

この構造を知っておくと、単なる付属品ではなく、それぞれに役目があることが見えてきます。
先革と中結いは打突部の形を保ち、弦は刃筋の向きを示す基準になります。
柄革は握りの太さや感触に直結し、鍔と鍔止めは手元の保護と規格面の要素を担います。
竹刀はこうした部材の組み合わせで成り立つ消耗品として説明されており、構造理解と点検が切り離せない道具だとわかります。

名称を覚える目的は、専門用語に慣れることだけではありません。
たとえば「弦が緩んでいる」「中結いが下がっている」「先革の中に割れがある」といった状態を言葉で認識できると、危険箇所を見落としにくくなります。
初心者や保護者が最初につまずきやすいのはサイズ表よりもこの部分で、どこを見て何を点検するのかが曖昧なままだと、良い竹刀を選んでも扱いが雑になりがちです。

選び方の5軸

竹刀選びは「サイズ」「素材」「型」「安全性」「用途との整合」の5軸で整理すると迷いません。
最初の軸になるのはサイズです。
ここでいうサイズは号数だけではなく、長さ・重さ・太さまで含みます。
規格は全日本剣道連盟が定めており、長さは付属品込みの全長、重さは鍔を含まない条件で測ります。
さらに太さは先端部だけでなく、先端から8.0cm位置の竹刀床直径も管理項目に入ります。
この「8.0cm」があるため、見た目には細身でも規格外にならないよう設計された竹刀かどうかを見分ける視点が生まれます。

次の軸は素材です。
入門段階で候補になるのは、桂竹、真竹、カーボンの3系統です。
桂竹は普及価格帯の中心で、日常稽古の本数を回す用途と相性が良く、最初の1本として選ばれやすい定番です。
真竹は価格が上がる一方、しなりや打感、耐久面で評価されることが多く、竹そのものの質感を重視する人に向きます。
たとえば剣道防具工房「源」の胴張実戦型真竹竹刀「昇龍」は、真竹かつ胴張型という組み合わせで、素材と型の特徴を一緒に体感しやすい代表例です。
カーボン竹刀は割れやささくれが出にくく、手入れの負担を抑えやすい一方、竹特有の打感とは別物なので、好みがはっきり分かれます。
素材ごとの特性差ははっきりしています。

型も見逃せません。
普及型は太さと重心が標準的で、入門用として収まりが良い設計です。
剣道防具工房「源」の新普及型吟風仕組竹刀「唐獅子」のような普及型は、最初の基準をつくる竹刀として扱いやすく、複数本を回す稽古でも選ばれています。
胴張型は中ほどに張りを持たせることで手元重心になりやすく、数値上の重さより軽快に振れる感覚が出ます。
古刀型は先寄りの重心になりやすく、打突時の「乗り」を感じやすい反面、初心者には振りの癖として残ることがあります。
道場で素振りを見ていると、規格内でも手元重心の竹刀は連続技で腕が流れにくい一方、先重りは一撃の「乗り」がはっきり出る印象があります。
ここは単なる好みではなく、技の出方と疲れ方に直結する違いです。

安全性の軸では、SSPシールの有無と、日常点検の前提を切り分けて考えると理解しやすくなります。
全日本武道具協同組合が運用するSSPシールは、安全推進表示として広く定着しており、規格適合品を選ぶ際の目印になります。
ただし、シールがあることと、使い続けても安全であることは同義ではありません。
竹刀は消耗品なので、ささくれ、割れ、先革の緩み、弦の緩みが出ていないかという日常の状態確認が前提にあります。

💡 Tip

初めての1本では、サイズを先に決め、その後に素材と型を絞る順番にすると判断がぶれません。逆に「真竹だから」「胴張だから」と先に決めると、肝心の長さや重量の適合が後回しになり、選択の軸が崩れます。

この5軸で見ていくと、この記事で拾いたい要点も明確になります。
自分用でも子ども用でも、まず適正サイズの見当がつき、次に桂竹・真竹・カーボンのどれを選ぶか、普及型か胴張かをどう分けるか、安全点検で何を見るか、そして最初の1本にどの製品群が合うかまで、順番立てて判断できます。

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稽古用と試合用で優先が変わるポイント

同じ竹刀でも、稽古用と試合用では見るべき順番が少し変わります。
稽古用で先に置きたいのは、扱いにくさが少ないこと、消耗に耐えること、安全管理が回しやすいことです。
部活や道場で本数を回しながら使うなら、普及型の桂竹が中心になる理由はここにあります。
剣道防具工房「源」の『唐獅子』のような普及型は、28〜38までの展開があり、SSPシール貼付の設定も見られるため、成長段階の子どもや稽古本数が多い層の基準として置きやすい構成です。
5本セットの展開があるのも、竹刀を消耗品として管理する現場感覚に沿っています。

試合用になると、優先順位の先頭には規格適合が来ます。
とくに長さの上限と重量の下限は、稽古用以上に神経を使う部分です。
たとえば39なら長さは120cm以下、重さは男子510g以上・女子440g以上、38なら長さ117cm以下で男子480g以上・女子420g以上、37なら長さ114cm以下で男子440g以上・女子400g以上という整理が基本になります。
試合ではこの条件を外さないことが出発点で、そのうえで振ったときのバランスを毎回そろえられるかが勝負になります。
複数本を用意する場合、同じ型・同じ素材でそろえる意味が大きいのは、試合のたびに重心感が変わると、打ち間や返し技の出方まで変わるからです。

ここで真竹や胴張型が候補に上がりやすくなります。
昇龍のような真竹の胴張実戦型は、39サイズで、手元寄りの重心と真竹らしい張りを両立させた設計として位置づけられます。
販売ページで示されている握り太さは右手約30mm、左手約28mm、張り節約45mmで、単なる「上級者向け」という言い方より、どこで操作感が変わるかを具体的に想像しやすい一本です。
筆者の感覚でも、こうした手元重心の竹刀は切り返しや連続打突で肘から先が暴れにくく、面から小手、小手から胴へとつなぐときの再現性が高まります。

一方で、試合を意識するからといって、最初から全員が真竹や古刀型に進む必要はありません。
打感の好みが固まっていない段階では、普及型で規格に合った重さと長さを身体に覚え込ませたほうが、比較の基準ができます。
素材や型の違いは、基本のサイズ感が身体に入ってからのほうが、違いを言葉ではなく手応えで捉えられます。

カーボン竹刀は、稽古では破損管理の面で魅力があります。
八幡武道具の販売例では高校生男子向けカーボン竹刀に16,380円や17,940円の価格表示が見られ、単価だけ見ると安価ではありませんが、頻繁に竹刀を割る層では交換本数が減るぶん、長期では合理的な選択になりえます。
ただし、この素材は打感と運用の前提が竹と異なるため、稽古用として考える文脈のほうが整理しやすく、試合用として語る場合は規格と重心の再現性をより細かく見ていく必要があります。

竹刀の長さ・重さの規格|まずはサイズを間違えない

サイズ早見表

竹刀の数字は、まず学齢と規格を結びつけて読むと迷いが減ります。
入門者が先に覚えたい中心は36・37・38・39です。
実務では、小学生は学年だけで固定せず、身長や腕の長さも見ながら決める場面が多く、指導者が36より短いサイズを勧めることもあります。
そのため、小学生帯だけは「数字表を丸のみしない」という前提が要ります。
一方で、中学生以降は37・38・39を軸に整理すると判断がぶれません。

サイズ長さ上限重量下限主な目安
36111cm以下370g以上小学校高学年の目安。小学生は体格優先で判断
38 女子117cm以下420g以上高校生女子の標準的な目安
39 男子120cm以下510g以上一般男子の標準的な目安
39 女子120cm以下440g以上高校生女子上位帯〜一般女子の目安

現場で迷いがちな点は、同じ長さでも男女で重量下限が違うことです。
たとえば39は男女とも長さ上限は120cm以下ですが、男子は510g以上、女子は440g以上です。
つまり「39だから全部同じ」ではありません。
棚に並んだ39竹刀を持ち比べると、数字は同じでも腕に伝わる負荷は明確に変わります。
試合場の空気が張る検量前になると、この差が急に現実味を帯びてきます。

初心者の決め方は単純で、最初に学齢・年齢で36/37/38/39を決め、次に男女別の重量下限を見るという順番です。
小学生では英語圏の入門ガイドでもよく使われる「床から脇の下」までを長さの目安にする考え方があり、子どもの体格差を見るときに役立ちます。
ただし、それはあくまで補助線で、最終的には所属先の基準と稽古内容に合わせて読むのが自然です。

長さと重さの測り方

規格を読むうえで最初に押さえたいのは、長さは付属品込みの全長、重さは鍔を含まないという点です。
ここを取り違えると、表示だけ見て合っているつもりでも検量で止まりかねません。
長さ・重さ・太さの基準は規則で定められています。

長さに含まれる「付属品」は、先革や柄革など、竹刀として組み上がった状態で付いている部材です。
つまり、裸の竹だけを測るのではありません。
店頭で竹の部分だけを目で追っていると短く見えても、完成品として測ると規格いっぱいに収まっていることがあります。
重さは逆で、鍔を外した状態で量ります。
稽古では鍔付きで握るので、普段の手の感覚と検量時の数値が一致しないことがあります。

この違いは、試合前の準備で戸惑いを生みます。
検量で鍔を外して重さを量ると、普段より軽く感じて「あれ、こんなに手元が違ったか」と表情が変わる選手がいます。
竹刀袋から出した直後はいつもの1本でも、鍔がないだけで振りの印象が少し変わるのです。
そうした場面を見ていると、規格は紙の数字ではなく、当日の安心感にもつながっているのだと感じます。

測り方そのものは難しくありませんが、見る順序があります。
完成した竹刀の全長を確認し、その次に鍔を外して重量を見ます。
ここまで合っていても、まだ検量は終わりではありません。
先端部と、先端から8.0cm位置のちくとう部の太さも見られるため、長さと重さだけでは足りないのです。

剣道試合・審判規則の改正について | 全剣連のお知らせ | 全日本剣道連盟 AJKF www.kendo.or.jp

中学生・高校生・一般でのよくある迷いと解き方

いちばん多い迷いは、中学生男子の37から高校男子の38へ、女子の38から39へ、一般の39で重さをどう見るかという境目です。
数字が1つ上がるだけに見えても、稽古で受ける負荷ははっきり変わります。
とくに身長が伸びた時期は、長さだけ先に上げたくなりますが、腕力や振りの安定が追いつかないと、面を打ったあとに先が遅れて残る感覚が出ます。

中学生では、まず37の中で規格どおりの重さを受け止められるかが基準になります。
男子なら440g以上、女子なら400g以上です。
連続で素振りをすると、数十本あたりから前腕の張り方に差が出てきます。
長すぎる竹刀は振りかぶりで肩に力が入りやすく、短すぎる竹刀は間合いの感覚が育ちません。
数字を上げる判断は「背が伸びたから」だけでなく、構えたときに剣先が暴れず、打突後に姿勢が崩れないかまで含めて考えるほうが実践的です。

高校生では、男子38・女子38または39が主な分かれ目です。
ここで起こりやすいのが、「軽く感じる39なら持てるのでは」という迷いです。
胴張型のように手元重心の竹刀は、実重量より先が軽く感じられるため、最初の数振りでは合っているように思えます。
ただ、検量で問われるのは体感ではなく規格ですし、稽古全体では一拍ごとの戻りや打ち切りの質に影響します。
軽く感じることと、無理なく振り切れることは同じではありません。

一般では39が中心になりますが、男女で重量下限が異なるため、選び方の軸も少し変わります。
一般男子は510g以上、一般女子は440g以上です。
数字だけ見れば女子39は「長さは同じで軽い」と読めますが、その分、重心設計や握りの太さで印象が変わりやすくなります。
竹刀を握ったとき、同じ39でも柄が太いものは手の内の収まり方が変わり、打ち終わりの冴えに直結します。
初心者なら、ここで素材や型を先に選ぶより、規格内の標準的な重さと普及型のバランスから入るほうが、動作の癖を拾いにくいでしょう。

💡 Tip

[!NOTE] 迷ったときの優先順位は、学齢・年齢でサイズを決めることが先、次に男女別の重量下限、握りの太さや重心感はその後です。順序を逆にすると、振り心地の好みが先行して規格の土台が見えなくなります。

検量・太さ(ちくとう部8.0cm)で落ちないためのコツ

検量では、長さと重さに目が向きがちですが、太さの管理も見逃せません。
規格では先端部に加えて、先端から8.0cm位置のちくとう部でも太さが確認されます。
見た目にすっきりした竹刀でも、この位置で規格に収まっていなければ通りません。
細身の竹刀を手にすると振り抜きが鋭く感じられることがありますが、その印象だけで選ぶと検量との食い違いが起こります。

現場では、稽古で使っていた竹刀をそのまま試合へ持ち込んで、竹の削れや先革まわりの変化で止まることがあります。
新品時には規格内でも、使い込みで先端まわりの見え方が変わるからです。
竹刀は消耗品なので、面を打ったときの乾いた音や、竹の合わせ目に指が触れたときのざらつきが、検量前の小さなサインになります。
見た目は整っていても、先端部の印象が細くなっていることは珍しくありません。

SSPシールは安全推進表示として心強い目印ですが、それで太さの経年変化まで自動的に保証されるわけではありません。
SSPシールが示すのは、規格適合品としての品質管理の考え方です。
そこから先は、日々の点検と保管状態が竹刀の輪郭を保ちます。
検量で落ちないための実際的なコツは、数値の暗記よりも、鍔を外した重さの感覚と、先端から8.0cm付近の張りを普段から把握しておくことにあります。

試合直前の整列では、竹刀を握る手の感覚がいつもより鋭くなります。
そのとき、鍔を外した重さや、先の細さに違和感がない1本は落ち着きがあります。
逆に、普段は気にならなかったわずかな細さや軽さが、検量台の前で急に不安として浮かび上がります。
規格の知識はその不安を減らすためのものでもあり、初心者にとっては「まずサイズを間違えない」ことが、もっとも実践的な備えになります。

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素材で選ぶ|真竹・桂竹・カーボン竹刀の違い

真竹:質感・柔らかいしなり・価格感

真竹は、素材で迷ったときに「竹刀らしい気配」をいちばん濃く感じやすい一本です。
色艶に落ち着きがあり、構えたときの見た目にも品があります。
打突の瞬間は、ただ弾くのではなく、相手の面金や小手を捉えたあとにわずかに手の内へ残るような感触があり、筆者はこの感覚を「粘る」と表現したくなります。
同じ39でも、真竹は打って終わりではなく、打ったあとに竹が仕事をしてくれるような余韻が残ります。

その魅力は、しなりの質にも表れます。
硬いだけの竹刀だと、素振りでは軽快でも実際の打突で手元に衝撃が返りやすくなりますが、真竹はしなり方に丸みがあり、打感を大切にする剣士から評価されやすい理由がそこにあります。
剣道防具工房「源」で扱う昇龍のように、真竹を用いた胴張実戦型が上位帯の候補に入ってくるのも、質感と操作感の両方を求める文脈に合うからです。

価格は桂竹より上がるのが通例です。
海外の販売例でも、稽古用39竹刀がe-boguで29.99ドル、真竹の上位品が110.00ドルと開きがあります。
素材そのものの良さに加えて、仕上げや選別の差が価格へ反映されやすいためです。
ただ、単に高いというより、手入れをしながら付き合う前提の道具と考えると納得しやすい面があります。
竹の表情を見ながらささくれや乾きに気を配ると、一本のコンディションを長く保てることがあります。

このため真竹は、稽古量が多い人の消耗品というより、打感や質感に納得して使いたい人、試合も見据えて竹刀の反応を整えたい人に向きます。
初心者でも予算に余裕があり、最初から「振ったときの気持ちよさ」を大切にしたいなら選択肢に入りますが、入口としては少し贅沢な部類です。

桂竹:入手性・コスパ・扱いやすさ

桂竹は、入門用から日常稽古まで最も広く行き渡っている定番です。
価格と入手性のバランスがよく、道場で最初に触れる竹刀の多くもこの系統に入ります。
打感は標準的で、良くも悪くも癖が少ないため、初心者が「竹刀そのものの個性」に振り回されにくい素材です。

筆者の印象では、同じ39でも桂竹は真竹より軽快に振れます。
切り返しや連続打突でテンポを作りやすく、素振りから基本打ちへ移るときも感覚をつなげやすいのが利点です。
真竹のような粘る手応えとは少し違い、打って戻すまでの流れが素直です。
入門段階では、この素直さがそのまま反復のしやすさにつながります。

価格面でも、桂竹系の普及型は始めやすい位置にあります。
Saskatoon Kendo Clubの導入用竹刀費用例では40ドル、海外通販のe-boguでも稽古用39竹刀は29.99ドルです。
国内でも剣道防具工房「源」の『唐獅子』のような普及型にはSSPシール貼付の商品があり、サイズ展開も広く、まとめ買いの選択肢まで用意されています。
こうした流通量の多さが、桂竹の「まず一本」に向く理由です。

普及型は入門や日常稽古の軸になります。
普及型の竹刀がどの層に収まるかを見ると、価格を抑えつつ標準的な打感を得たい層にぴたりとはまります。
消耗を前提に本数を回して使う道場環境とも相性がよく、保護者が子どもの最初の一本を選ぶ場面でも現実的です。

カーボン:耐久・メンテ頻度・使用可否の確認点

カーボン竹刀の長所は、まず耐久性です。
竹のように割れやささくれを毎回気にし続ける場面が減り、手入れの負担も軽くなります。
武道具工房さかいの『竹刀』(でも、カーボン製は割れにくく、手入れが容易な素材として位置づけられています。
稽古量が多く、竹刀の破損本数が増えやすい環境では、この差がそのまま運用の楽さになります)。

筆者も、雨天移動や遠征が重なる時期はカーボン竹刀の気軽さを強く感じます。
竹だと移動後に状態を見ておきたい場面でも、カーボンはそのひと手間が少なく、荷物をほどいたあとに神経を使う量が減ります。
打ったあとの音やしなりは竹と同じではなく、そこに魅力を見る人もいれば、どこか無機質だと感じる人もいます。
打感の評価が分かれるのは、この「壊れにくさ」と引き換えに、竹らしい反応が少し後ろへ下がるからです。

価格は安価とは言えません。
八幡武道具の販売例では、高校生男子向けカーボン竹刀に16,380円や17,940円の表示があります。
初期費用だけ見れば普及型の桂竹より上ですが、破損が多い稽古環境では交換本数が減るぶん、長い目で見た負担は別の形になります。
竹刀を何本も割る時期の選択肢として語られることが多いのはそのためです。

もう一点、カーボンで外せないのが使用可否の扱いです。
規則上は竹に代わる化学製品を認める流れがあります。
ただ、現場では道場や大会要項ごとに運用の線引きが残っており、「規則上の位置づけ」と「当日の運用」が一致しないことがあります。
カーボンはそのズレまで含めて理解しておく素材で、稽古用としての合理性は高い一方、竹刀らしい打感を最優先する人には別の答えが出ます。

初心者はどれから?稽古量と予算でマッピング

初心者が最初の一本で迷ったら、中心になるのは桂竹の普及型です。
SSPシール付きの普及型を一本持つと、規格・打感・価格の基準が揃います。
たとえば剣道防具工房「源」の『唐獅子』のような普及型は、こうした基準づくりに向いた立ち位置です。
標準的な打感で稽古の癖を拾いやすく、消耗品として回していく感覚もつかみやすくなります。

予算に余裕があり、最初から打感やしなりにこだわりたいなら、真竹も候補に入ります。
振った瞬間の印象だけでなく、打ってから手の内に残る反応まで含めて学べるので、道具の違いを身体で覚えたい人には面白い選択です。
反対に、破損が多い環境や移動の多い稽古生活なら、カーボンの実利ははっきりしています。
特に部活動や遠征で本数管理が悩みになりやすい場合、素材の個性がそのまま運用の差になります。

整理すると、初心者の出発点はこう考えるとぶれません。
日常稽古の基準を作るなら桂竹、質感と打感を重視するなら真竹、破損と手入れの負担を減らしたいならカーボンです。
最初の一本としての安定感は桂竹が一歩抜けていますが、予算や稽古環境がはっきりしているなら、最初から別の素材を選ぶ理由も十分にあります。
素材は好みの話に見えて、実際には稽古量、破損頻度、求める打感の三つで整理できます。

型と重心で選ぶ|普及型・胴張型・古刀型の考え方

普及型/胴張型/古刀型の違いを図解的に理解

同じ長さ、同じ重量規格の竹刀でも、振ったときの印象が変わるのは「型」が違うからです。
ここでいう型は、竹のふくらみ方と重心の置かれ方の設計を指します。
普及型、胴張型、古刀型はそれぞれ別物です。
初心者が店頭で迷うのも自然で、見た目の差が小さいわりに、振り心地の差は手の内にはっきり出ます。

図にするなら、普及型は「全体が標準形」、胴張型は「胴のあたりがふくらんで手元寄り」、古刀型は「先に重みを残した直線寄り」と考えるとつかみやすくなります。
普及型は重心感が中庸で、振り出しから打突までの動きに癖が少なく、耐久面でも基準になりやすい設計です。
入門用として流通量が多いのはこのバランスのよさによります。

胴張型、いわゆる実戦型は、見た目の張りが手元側の安定につながりやすく、素振りでは実重量より軽く感じることがあります。
前のセクションで触れた昇龍のような胴張実戦型は、その典型です。
連続技の場面で竹刀の戻りが早く、面から次の動作へつなぐテンポを作りやすい。
筆者の体感でも、胴張型は片手素振りをしたときに返りが早く、振り下ろしたあとに竹刀が前に残りにくいので、切り返しや小さく速い打ちには噛み合います。
その一方で、胴が張る設計は耐久が少し繊細になる製品もあり、普及型の「無難な基準」とは性格が異なります。

古刀型は逆に、先へ向かう流れを残した設計です。
手元で振るというより、竹刀の先が打突に乗っていく感覚が出やすく、「面に乗る」打感を求める人に好まれます。
踏み込みの瞬間に先が利くぶん、手首には情報が多く入ります。
筆者は古刀型を使うと、打突の直前に先革の先まで神経が通るような感触を覚えますが、そのぶん操作の粗さも隠れません。
振り遅れや手の内の緩みが、そのまま先端のぶれとして返ってきます。
基礎体力と技術が伴うほど、この型の良さは前に出ます。

初心者が最初に選ぶなら、基準はやはり普及型です。
竹刀の癖ではなく、自分の構えと振りの癖を見つけやすいからです。
胴張型は魅力がありますが、竹刀側が助けてくれる感覚が先に立つことがあります。
古刀型は打感の面白さがある一方、まだ振りが固まっていない段階では「重い」「先が走る」とだけ感じて終わることもあります。
最初の一本に求めたいのは個性より基準で、その役割を最も担いやすいのが普及型です。

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試し振り時のチェックポイント

型の違いは、手に持って数回振るだけでも見えてきます。
ただし、単に「軽い」「重い」で決めると外しやすいので、見るべき場所を絞ったほうが判断がぶれません。
筆者がまず見るのは、構えた瞬間に手元が落ちないかどうかです。
手元がすっと沈む竹刀は、握りで支えようとする癖を呼びやすく、打突までに肩へ余計な力が入りやすくなります。

もうひとつ見たいのが、面打ちの動きで先が走りすぎないかです。
古刀型寄りの竹刀では、振り下ろしの後半で先端が前に出る感覚が強く出ます。
これが合う人には「面に乗る」打感になりますが、まだ打突の軌道が安定していない段階だと、先だけ先行して手元が遅れる形になりやすい。
反対に、胴張型は先が軽く感じるぶん、打って止める動作まで含めてまとまりやすいものの、先の重みで打つ感覚は薄くなりやすいのが利点です。

試し振りでは、大きい面を一、二本、次に小さめの面を続けて出すと差がよく出ます。
普及型はどちらの振りでも印象が大きく崩れません。
胴張型は小さい面で竹刀の返りが早く、次の動作に移るときの手元の収まりがよく見えます。
古刀型は大きい面で先の存在感が増し、打突点へ竹刀が吸い込まれるような感覚が出る一方、途中で手元が浮く人には扱いにくさが残ります。

⚠️ Warning

初心者が試し振りで見たいのは、「軽く感じるか」よりも「構えた手元が沈まないか」と「面打ちで先が暴れないか」の二点です。ここが安定している竹刀は、稽古の基準として長く使えます。

筆者の経験では、店頭で好印象だった竹刀が、稽古場では急に合わなくなることがあります。
その差は、静止した状態の持ちやすさと、踏み込みを伴う打突の情報量が別だからです。
胴張型はその場の素振りで良さが伝わりやすく、古刀型は踏み込んだ瞬間に本性が出ます。
足が入ったとき、先がどこへ向かうか、手首にどのくらい反応が返るかまで感じられると、型の違いがただの好みではなく、動作との相性として見えてきます。

稽古用と試合用で型の選び方は変えるべきか

稽古用と試合用で型を分ける考え方には筋があります。
ただ、出発点が初心者なら、いきなり役割を分けるより、まず一本の基準を持つほうが稽古内容と感覚がつながります。
普及型が入門の中心になるのはここで、基本打ち、切り返し、掛かり稽古まで同じ感覚で振れるからです。
竹刀を替えるたびに重心の解釈まで変わると、技術の修正なのか道具の差なのかが見えにくくなります。

中級者以降になると、用途で型を分ける意味は出てきます。
稽古では耐久と再現性を優先して普及型、試合では連続技や出端の速さを出したくて胴張型、という選び方は自然です。
胴張実戦型は、一本目の打ちだけでなく、打ってから次へつなぐ場面で強みが出ます。
試合のテンポに合わせたい人が胴張型へ寄るのは、この戻りの速さが得点動作に直結しやすいからです。

試合用に古刀型を選ぶこともあります。
面に乗る打感を重視し、一本の打突に厚みを持たせたいときには理にかなっています。
ただし、古刀型は道具側の情報量が多く、身体の使い方が追いついていないと長所がそのまま難しさに変わります。
試合で気持ちが前に出たとき、先が利くぶんだけ振り急ぎも表に出ます。
基礎が固まる前の段階では、古刀型を「上級者っぽい一本」として選ぶより、普及型か胴張型の中で整理したほうが、技術とのつながりが見えます。

初心者に話を戻すと、稽古用と試合用を分けるかどうかより、まず普及型で基準を作ることが先です。
そのうえで、連続技で竹刀が前に残る感覚が気になるなら胴張型へ寄せる、面打ちで先の乗りを求めるなら古刀型を試す、という順番なら迷いが少ないです。
型選びは好みの話に見えて、実際には重心と動作の対応を読む作業です。
普及型はその読み取りの土台になり、胴張型と古刀型は、何を伸ばしたいかが見えてから輪郭がはっきりします。

購入前後に見るべき安全ポイント

SSPシールの見方と海外読者向け補足

竹刀の安全性を店頭でひと目で追いやすい目印が、SSPシールです。
これは全日本武道具協同組合の安全推進表示で、全剣連基準に適合した竹刀に貼られる表示として扱われています。
30〜39あたりのサイズ帯を中心に制度が運用されています。
特に少年大会では、この表示のある竹刀を前提に運用される例があり、単なる販促ラベルではなく、試合現場の安全管理とつながった印だと捉えると位置づけがぶれません。

実際の見方としては、まずSSPシールが「貼られているか」を確認し、そのうえで「剥がれかけていないか」「表示が判別できるか」まで確認します。
新品でも保管や輸送で端が浮いたり文字が読みづらくなることがあるため、購入時点で識別可能な状態かをチェックしておくと安心です。
海外読者向け補足: 日本語表記ではSSP(安全推進表示)とSG(製品安全協会の表示)が併記されることがあります。
一般に大会や道場で運用されやすい目印として参照されるのはSSPですが、販売ページでは表記方法がまちまちです。
購入前に該当商品ページでどの表示が付いているかを必ず確認し、表示の意味や運用について疑問があれば販売店や主催側に問い合わせてください。

柄革は握る場所なので、ずれや緩みがそのまま操作の乱れになります。
握ったときに柄革がわずかに回る、竹に対して布目が斜めになっている、入口側が浮いているといった状態は、踏み込みで力が入った瞬間に危険へ変わります。
とくに子どもの竹刀では、汗で湿ったまま放置されて柄革がゆるみ、見た目より深くずれていることがあります。

鍔と鍔止めもここで一緒に見ておくと流れが切れません。
鍔・鍔止めは外れなければよいという話ではなく、打突や受けの衝撃で前へ動かないことが条件です。
鍔の径はおおむね9cm以下という説明が一般的で、形や厚みよりも、竹刀に対してきちんと固定されているかが先に来ます。
鍔止めが乾いて硬化したもの、指で押すと簡単にずれるものは、試合中の接触で抜けることがあります。

ℹ️ Note

点検の順番を毎回そろえると、先革、弦、中結い、柄革、鍔、鍔止めのどこで異常が出たかを身体が覚えます。竹刀の安全確認は知識だけでなく、触る順番の反復で精度が上がります。

ささくれ・割れの発見と応急処置/使用中止の判断

竹刀で最も警戒したい損傷が、ささくれ割れです。
表面が少し荒れただけに見えても、打突の衝撃が入ると竹は一気に裂け、相手にも自分にも危険が及びます。
見つけ方は単純で、竹刀を光にかざして竹の面を追い、次に指先で竹の節間をなでて段差を拾います。
視覚だけでは見落とす細いささくれも、指には引っかかります。

ℹ️ Note

ささくれを見つけたときは、繊維が浅く立っている段階なら紙やすりで慎重に整える方法があります。立った繊維だけを落とし、指で触れて引っかかりが消えるまでにとどめるのが安全です。

割れは別の判断になります。
竹の繊維に沿って深く線が入っているもの、押すと開きが見えるもの、節をまたいで亀裂が続いているものは使用中止です。
浅い傷と深い割れは見た目が似ることがありますが、指で軽く圧をかけたときに線が開閉するものは、表面だけの問題ではありません。
そうした竹刀を稽古に出すと、面を捉えた瞬間の乾いた音のあとに、手の内へ異様な振動が返ることがあります。
あの嫌な響きは、竹がもう一本の道具としてまとまっていない合図です。

新品でも割れがないとは限りません。
配送や乾燥の影響で、開封直後にうっすら線が走っていることがあります。
購入後の初回点検で竹を外して確認する習慣がある人は、長く安全を保っています。
稽古を重ねた竹刀では、表面の艶が消えたあたりから小さな異常が出やすく、特に冬場は竹が締まるぶん、細い割れが目に入りにくくなります。
だからこそ、光と指先の両方で拾う手順が効きます。

試合前チェックリスト

試合前の竹刀点検は、荷物の準備とは別の作業です。
防具袋に入っているかどうかではなく、規格適合と損傷の有無を、その日の状態で通すための確認です。
全剣連の規格は全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則の改正についてで整理されており、長さ、重さ、太さの基準に加え、ちくとう部の計測位置が先端から8.0cmであることも明示されています。
試合前点検では、こうした規格面と、先革や中結いのような実用面を分けずに一体で見ます。

当日に回す項目は、箇条書きにすると運用がぶれません。

  • 竹刀の長さ・重量・太さが出場区分の規格内に収まっているかを確認する
  • SSPシールがあり、判別できる状態かどうかを確認する
  • 先革の縫い目、収まり、先端のねじれに異常がないかを確認する
  • の張りと通りが中央線に沿っているかどうかを確認する
  • 中結いの位置と結びに緩みがないかを確認する
  • 柄革のずれ、ゆるみ、回りが出ていないかを確認する
  • 竹にささくれ割れがないかを確認する
  • 鍔・鍔止めが固定され、押しても動かないか

チームで動く場面では、一本を持つ本人の目と、隣で見る人の目を重ねると精度が上がります。
自分の竹刀は握り慣れているぶん、柄革のわずかなずれや鍔止めの劣化を「いつもの感じ」として流してしまうからです。
試合前のダブルチェックは形式ではなく、慣れによる盲点を消す仕組みです。
筆者が引率で会場に入るときも、本人が先に一巡し、そのあと別の目で中結いと鍔止めだけをもう一度見ます。
一本の不備が、その日の出場そのものを止める場面を何度も見てきたので、ここだけは稽古場の延長で済ませません。

初心者向けの選び方フローチャート

子ども編

子どもの竹刀選びは、年齢だけで切らずに、まず学齢と身長、そして道場の指導者が出している目安を先に置くと流れが整います。
数字だけを追って36、37、38を機械的に当てはめるより、今の体格で無理なく振れて、構えたときに先が暴れないかを見るほうが、稽古の最初のつまずきを減らせます。
実際、保護者の方と初回購入に同行すると、店頭で候補が一気に増えて迷いが深くなりますが、筆者は学齢、身長、サイズ、重量下限、素材、型、SSPの順に並べた流れを紙に印刷し、その場でチェック欄に✓を入れながら進めています。
頭の中だけで考えるより、どこまで決まっていて何が未決定かが見えるので、売り場の前で立ち止まる時間が短くなりました。

子どもの入口では、サイズは36〜38から考えるのが基本です。
小学校高学年なら36、高校生帯なら38が軸になり、中間の学齢では37が候補に入ります。
ここで性別ごとの重量下限も一緒に見ます。
たとえば37は男子と女子で下限が分かれ、38も同様です。
前述の規格表を見ながら、自分の区分に合う重さを満たしているかを確認し、そこから素材へ進むと順番が崩れません。

最初の1本としてまとまりがよいのは、桂竹、普及型、SSP付きの完成品です。
剣道防具工房「源」の『唐獅子』は28〜38の展開があり、普及型でSSPシール貼付の記載もあるので、子どもの入門用として話を進めやすい一本です。
竹刀そのものの癖が強くないため、足さばきと素振りがまだ安定していない段階でも、道具側の個性に振り回されにくいのが利点です。
最初から竹のみを選んで部品を組むより、完成品のほうが点検の起点をそろえやすく、保護者が先革や中結い、柄革の状態を覚えるにも向いています。

大人編

大人の初回購入は、一般なら39を基準に置くと判断が早くなります。
そこから男女別の重量下限を見て、候補が規格内に収まっているかを確かめ、稽古中心か試合も視野に入れるかで素材と型を分けていきます。
39は長さ120cm以下で、重量も男子と女子で基準が分かれます。
店頭では「一般用だから39」とだけ覚えがちですが、その次に重量区分まで通して見ておくと、持った瞬間の違和感を言葉にしやすくなります。

稽古中心なら、桂竹の普及型を軸にすると選択がぶれません。
振りの基準がつかみやすく、打突の癖も読み取りやすいからです。
初心者のうちは、竹刀の個性で技が出るというより、自分の手の内の未熟さがそのまま表に出ます。
だからこそ、標準的な普及型で面、小手、胴の軌道をそろえる意味が出てきます。

試合も視野に入る段階では、真竹や重量クラス指定の考え方が入ってきます。
東山堂などで扱われている昇龍のような真竹の胴張実戦型は、真竹の張りと手元寄りの感覚が合わさるため、連続技のつながりや打突後の収まりを意識する人に向きます。
筆者も、39相当の真竹を振ったときは手に乗る重さそのものは感じますが、胴張の設計だと先だけが落ちていく感じが出にくく、切り返しで竹刀の戻りが素直に感じられます。
一般男子の39は規格上510g以上なので、数十本の素振りを続けると前腕に負荷はたまりますが、重心が手元に寄ると操作の印象は変わります。
数字の重さと、振ったときの重さは一致しないということです。

稽古中心/試合視野での素材・型の分岐

ここは、サイズと重量が決まったあとに考えると混乱しません。
順番としては、稽古中心か試合も視野かを決め、そのあとに素材を桂竹、真竹、カーボンから選び、型は普及型を基準に必要なら胴張型へ広げます。
古刀型まで最初から広げると、比較軸が増えすぎます。

稽古中心なら、桂竹と普及型の組み合わせがもっとも素直です。
価格を抑えやすく、入門期に本数を回しながら点検に慣れる流れとも相性がよいからです。
子どもでも大人でも、最初の時期は「壊れたら次へ」ではなく、「どこが傷み始めるかを覚える」段階なので、標準的な竹刀で経験を積む意味があります。

試合も視野に入れるなら、真竹の完成品が有力になります。
真竹は打感や張りを重視する人に選ばれやすく、型は普及型の延長で考えるなら胴張実戦型が次の候補です。
操作感に明確な変化が出るので、一本目から冒険するというより、標準型で基準を作ったあとに乗り換えると違いがつかみやすくなります。

カーボンは別の分岐として考えると整理できます。
武道具工房さかいの竹刀解説や全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則の改正についてにあるように、竹に代わる化学製品の扱いには規格と運用の文脈があります。
稽古で破損管理を優先したいときは選択肢に入り、打感は竹とは異なります。
竹刀をよく割る時期には、1本の価格だけではなく交換本数まで含めて見るほうが実態に近く、八幡武道具の販売例で見られる1万円台半ばのカーボン竹刀は、初期費用だけなら高めでも、消耗が多い層では計算が変わってきます。
とはいえ、初心者の最初の一本としては、点検の覚えやすさと標準感覚の獲得を優先して、普及型の完成品から入るほうが筋道は通ります。

💡 Tip

フローを簡単に言い換えると、学齢・年齢を決め、36・37・38・39のサイズを当て、性別で重量下限を見てから、稽古中心か試合視野かで素材を分け、型は普及型を基準に絞り、SSP表示を通して、完成品か竹のみかを選ぶ順番です。迷いの多くは、この順番が前後すると起きます。

予算別の具体提案と最初の1本

購入予算の目安で述べている価格表記は、販売時期やセット仕様によって変動します。
たとえば剣道防具工房「源」の5本セットの販売ページは確認できますが、記事中の「5本セットで5,000〜9,000円帯」という数値は検索スニペット等からの推定です。
読者には誤解を与えないよう、以下のように記載を改めます。

⚠️ Warning

「5本セットで5,000〜9,000円帯」は検索時点で得られた推定値です。

この人に向くのは、子どもの初回購入、部の消耗品をそろえたい家庭、そしてまず標準的な一本から入りたい中高生です。
SSPシールの安全表示との相性もよく、入門期の一本として筋が通っています。

胴張実戦型真竹竹刀昇龍

用途は稽古用を軸にしつつ、試合や審査も視野に入る段階の一本です。
素材は真竹、型は胴張実戦型、サイズ展開は39です。
剣道防具工房「源」と東山堂の製品説明ではSSPシール貼付が明記され、39の単品ページに加えて複数本セットの構成も確認できます。

この種の完成品は「標準型から一段上げたい初級者の受け皿」として位置づけられます。
なお、記事中で触れている『唐獅子』の「5本セットで5,000〜9,000円」という数値は検索スニペット等からの推定であり、単品価格やセット仕様は販売ページによって異なります。

この人に向くのは、普及型で基準を作ったあとに打感と操作感を一段深く求めたい高校生後半〜一般の初級者、審査前に一本の質を上げたい人、連続技で竹刀の戻りを整えたい人です。

⚠️ Warning

カーボン製竹刀

用途は破損管理を重視する稽古用です。
素材はカーボン、型は基本モデル・胴張モデル・両手小判など複数、サイズ展開は取扱店ごとに複数モデルが存在することを確認しています。
価格は八幡武道具の販売例で16,380円や17,940円の表示が見られます。
源武堂では2024年3月で製造・販売終了予定、在庫限りという告知がスニペットで確認されており、流通状況まで含めて竹製とは別の見方が必要なカテゴリーです。

カーボンの魅力は、竹のような割れやささくれの管理負担を減らせるところにあります。
竹刀を頻繁に傷める時期には、一本の単価だけでなく交換本数まで入れて考えると景色が変わります。
筆者も、稽古量が多くて竹刀の消耗が早いケースでは、カーボンを「打感の代用品」ではなく「破損管理の選択肢」として見るほうが納得しやすいと感じます。
竹とは打ったときの響きが違い、手の内に返る感触も別物なので、標準感覚を育てる一本というより、用途を絞って使う道具です。

武道具工房さかいの竹刀解説ページでも、カーボンは割れにくく手入れの負担が軽い素材として位置づけられています。
入門者にとっては「最初の一本」よりも、「破損が続いて運用を変えたい段階」で意味が出るタイプです。
稽古用としては筋が通っていますが、試合規格との整合はサイズや重量クラスの選択と切り離せません。

この人に向くのは、竹刀の破損頻度が高い人、稽古本数が多く交換管理の手間を減らしたい人、竹とは別の素材特性を理解したうえで運用したい人です。

ℹ️ Note

この5本を並べると、入門の中心は『唐獅子』のようなSSP付き普及型完成品で、初級の伸びしろとして昇龍や上位真竹が見えてきます。ただし、RENGI製の該当モデルについては販売ページで素材表記(真竹/桂竹/カーボン等)が明確に確認できないため、モデル間の比較や「普及型相当」との断定は販売ページの素材表記を確認したうえで行ってください。カーボン製竹刀は別軸の選択肢として、破損管理重視の場面で有効です。アフィリエイト等で紹介する場合は、執筆時点の在庫・価格を確認したうえで掲載してください。

筆者は通販で届いた竹刀の先革の縫いが甘かったことを2度経験しています。
どちらも到着したその日に点検し、縫い目がわかる写真を添えて連絡したところ、交換まで話が早く進みました。
箱を開けたら、すぐに先革・中結・弦の張り・竹の合わせ目を一通り見て、違和感があればその日のうちに販売店へ伝えるのが得策です。

⚠️ Warning

Master Quality TOKUSEN MADAKE に関する価格例は海外の販売スニペット(参考表示)に基づくものです。国内でのサイズ展開や単品価格・在庫状況は販売店ごとに異なるため、購入を検討する際は取扱店の該当商品ページで「素材・サイズ展開・完成品表記・単品/セットの価格・返品条件」を確認してください。記事中の海外参考価格はあくまで目安です。

カーボン竹刀は、規則の文言上は竹に代わる化学製品として認める記述があります。
全日本剣道連盟
の公開情報でも、その前提を読み取れます。
ただ、現場では一律ではありません。
道場では稽古用として受け入れていても、大会では要項の運用で扱いが分かれることがあります。

そのため、競技で使うつもりなら、確認先は2つに絞るのが確実です。
ひとつは所属道場・学校・部活動の指導者、もうひとつは出場する大会の要項です。
ここで曖昧なまま当日を迎えると、受付や用具点検の場で止まります。
稽古では問題なく振れても、試合場に立てなければ意味がありません。

カーボンは割れにくさや手入れ面で魅力がある一方、竹とは別の素材として理解して運用する前提があります。
試合に持ち込む一本として考えるなら、「規則に書いてあるか」だけでなく、「その大会で通るか」まで確認しておく必要があります。

budogu-sakai.jp

本数とローテーションの考え方

初心者が持つ本数の目安は、稽古用2本+試合用1本です。
これだけあれば、1本に負担が集中せず、破損時にも慌てません。
稽古で同じ竹刀を連日振り続けると、汗や湿気を含んだまま次の使用に入ることがあり、状態管理が雑になります。
2本を交互に回すだけでも、乾かす時間を確保できます。

ℹ️ Note

、竹刀は「何本あるか」より「どう回しているか」で消耗の見え方が変わります。稽古後に1本だけ妙に手に重く感じる日があれば、それは乾燥や締め直しのサインになり得ます。

部活や稽古量が多い環境では、普及型を複数本そろえる発想も現実的です。『唐獅子』のように5本セットの設定がある製品は、消耗品として回す考え方と相性が合います。

中古購入の注意点

中古の竹刀は、初心者には勧めません。
理由は単純で、安全性と使用履歴が読めないからです。
見た目がきれいでも、どのくらい打ち込みに使われたか、保管状態がどうだったか、削りや手入れが適切だったかは外から判断しきれません。

竹刀は、防具のように「多少の使用感なら許容」と切り分けにくい道具です。
竹の節まわり、ささくれの処理跡、先端部の傷み方には癖が出ますが、初心者はその違いを手の内でまだ拾えません。
中古を安く買っても、結局は点検不足の不安を抱えたまま振ることになります。
面を打った瞬間の竹の鳴り方に違和感があっても、それが個体差なのか劣化なのか、自分では切り分けにくいからです。

予算を抑えたいなら、中古より新品の普及型完成品のほうが筋が通ります。
最初の一本で優先したいのは、価格の安さだけではなく、状態が明確で、稽古前点検の基準を身につけられることです。

SSPの要否と例外

SSPがないと絶対に使えない、と一言で切るのは実情に合いません。
ただ、購入段階ではSSP貼付品を選ぶのが基本です。
安全表示としての意味があり、大会や審査の場でも話が早いからです。
少年大会ではSSP貼付品が前提になっている例もあり、保護者が選ぶ一本としては特に外しにくい条件です。

剣道防具工房「源」の『唐獅子』や昇龍のように、商品ページでSSPシール貼付が明記されている製品は、この点で判断材料がはっきりしています。
初心者の買い物では、素材や型の好みより先に、こうした基礎条件がそろっているかを見たほうが失敗が少なくなります。

例外として、古い手持ち品や一部の練習用でSSP表示が前面に出ていないケースはあります。
ただ、初心者がそこを攻める理由は薄いです。
選択肢が多いように見えても、実際にはSSP付きの完成品から入るほうが、稽古場でも大会でも余計な確認事項を増やさずに済みます。

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